タラソテラピーの歴史

タラソテラピーの歴史は入浴の歴史と重なり、はるか紀元前にまで遡ります。
古代ギリシャ・ローマ時代、戦争で負傷した兵士達が温海水で傷を癒したというのが始まりといわれ、いまではヨーロッパを中心に広く親しまれています。
紀元前480年に古代ギリシャの詩人エウリピデスが「海は人間の病気を治療する」という言葉をのこし、紀元前420年には医学の開祖ヒポクラテスが海水入浴を提唱、治療として海水の外用(海水浴)、内用(飲料)を実践したといいます。かのプラトンも、海水を温めて利用する治療を受けたといわれます。
人々は紀元前からすでに、海の持つ治癒力を経験から知っていたのです。
そして1750年には、イギリスのラッセル医師が腺疾患、腫瘍に対する海水の効用をまとめた論文を発表しますが、これがタラソテラピーの分野における初めての医学的業績とされています。
タラソテラピーの医学的発展の礎を築いたのは、フランス人の科学者ルネ・カントンです。
さまざまな実験、治療により海水の成分とヒトの血液の成分が非常に似ていること、海水の治療効果を証明しました。
1897年には、犬の血液の代わりに海水を注入する実験をおこない犬を生存させた、という驚くべき研究結果も残されています。
1899年にはフランス人医師ルイ・バゴが、温かい海水を用いた世界初のタラソテラピーセンターを開設。リウマチの治療に効果を発揮します。
その後、2度の大戦により停滞しますが、1950年代になるとヨーロッパで再び自然医学が再評価されタラソテラピーも注目を浴びます。フランスには近代的タラソテラピーセンターが次々と誕生しました。
1964年には、ツールドフランス(自転車競技)を3度制覇した、ルイゾン・ボベ選手が、事故で負った障害をタラソテラピーによって克服した経験を生かし、自らセンターを開設しました。
タラソテラピー先進国フランスのなかでも、1963年ブルターニュ地方の北西部、サンマロにあるホテル「ル グラン ドテル デ テルム」内に設立された「テルムマラン ド サンマロ」は、名門のタラソセンターとして世界的に知られています。
その確かな技術と温かなサービスには定評があり、常連客として数多くの著名な俳優、スポーツ選手、芸術家、政府高官が名を連ねています。